なぜ最初に見られるのか
掲示板は、敷地の外から確認できます。検査に来た職員が、事務所に入る前に見る場所です。
そこで次が判断されます。
- 必要な記載があるか
- 内容が現在の状況と合っているか
- 読める状態か(退色、破損)
- 適切な位置に掲示されているか
2番目が最も問題になります。代表者が変わっているのに前の名前のまま、という状態は珍しくありません。これは書き換えを忘れただけの話ですが、変更の届出そのものを忘れていることを示す場合もあります。
そして印象の問題もあります。掲示が整っていない現場は、記録も整っていないと推測されます。逆に、ここが整っていると最初の見方が変わります。
掲示すべき内容
必要な項目は、持っている許可・登録の種類によって異なります。関わり得るものを挙げます。
- 氏名または名称
- 法人の場合、代表者の氏名
- 許可または登録の番号
- 許可・登録の年月日と有効期限
- 事業の範囲(扱う品目、行う作業)
- 事業場の面積
- 保管できる上限の量
- 現場の責任者の氏名と連絡先
- 施設の設置者に関する事項
7番目を書いている場合は特に注意してください。掲示した上限を実際の保管量が超えていれば、その場で分かります。
8番目は近隣対応の観点でも意味があります。連絡先が分かれば、苦情が行政ではなく会社に来ます。
具体的に何を書くべきかは、許可・登録の種類と自治体の条例によります。所管の窓口で確認してください。様式が指定されている場合もあります。
更新を忘れる原因
更新漏れは、うっかりではなく仕組みの問題です。
- 誰が管理しているか決まっていない
- 変更が生じたことに気づく仕組みがない
- 屋外にあるため、日常的に読まない
- 作り直すのに手間がかかると思っている
3番目が実態です。毎日その前を通っていても、内容を読むことはありません。見ているつもりで、見ていないものです。
対策は単純です。次のいずれかを運用に入れてください。
- 年に一度、決算のタイミングで内容を確認する
- 掲示の写真を撮り、事務所で確認できるようにする
- 許可の更新時期と合わせて確認する
2番目が手軽です。写真にして手元で読むと、屋外で見るより気づきます。
変更が生じる場面を押さえる
次の場面では、掲示の内容を確認してください。
- 代表者が変わったとき
- 商号を変えたとき
- 本店を移したとき
- 許可・登録を更新したとき
- 扱う品目を増やしたとき
- 敷地を広げたとき、隣地を借りたとき
- 現場の責任者が変わったとき
1番目が承継に直結します。代表者の交代は、掲示だけでなく変更の届出が必要です。順序としては、届出を済ませてから掲示を書き換えます。
6番目も忘れやすいところです。隣の土地を借りて置き場を広げた場合、面積の記載が変わります。届出の対象になる可能性もあります。「少し広げただけ」で済ませないでください。
作り方の実務
更新の手間を減らす工夫があります。
- 変わりやすい項目(代表者名、責任者名)を差し替えられる構造にする
- 屋外用の素材を使う(退色しにくいもの)
- 雨がかかりにくい位置に付ける
- 敷地の外から読める高さと大きさにする
- 複数の出入口がある場合、それぞれに掲示する
1番目が効きます。全部を作り直す必要があると思うと、更新が後回しになります。差し替えられる作りにしておけば、その日に直せます。
そして掲示を更新したら、写真を撮って日付とともに残してください。いつ何を直したかの記録になります。承継の際、後継者に引き継ぐ資料にもなります。
掲示以外の表示も点検する
掲示板と同時に、現場の表示を確認してください。
- 保管場所の品目表示
- 立入禁止の表示
- 危険物の保管場所の表示
- 消火設備の位置の表示
- 作業手順の掲示
- 緊急時の連絡先
1番目は保管の区分と対になっています。区分して置いていても、表示がなければ検査で「区分されている」と判断されません。
6番目は災害や事故の際に効きます。誰でも見える場所に、消防・救急・所管・社長の連絡先を並べて貼ってください。
年に一度の点検表にまとめる
掲示と表示の確認を、他の点検と一緒に行うのが現実的です。
1枚の点検表に次を並べてください。
- 許可・登録の有効期限
- 掲示板の記載内容
- 現場の各表示
- 資格者の一覧と資格の有効期限
- 設備の点検記録
- 保険の契約内容
この表を決算のタイミングで確認する運用にしてください。期限のあるものをまとめて見れば、失効に気づかないという事態が防げます。
そして確認した記録を残してください。点検を続けてきた履歴そのものが、体制を示す資料になります。
後継者に管理を移す
許認可と掲示の管理は、承継の際に引き継ぐ必要があります。
- どの許可・登録を持っているか
- それぞれの期限と更新の手続き
- 所管の窓口と担当者
- 過去の変更届の履歴
- 掲示の内容と、変更が必要になる場面
3番目は書面に残してください。どこに聞けばよいかを知っているかどうかで、手続きの速さが変わります。
そして交代の前に、後継者を窓口に同行させてください。一度顔を合わせておけば、代表者が変わった後の相談がしやすくなります。
※ 掲示すべき事項は許可・登録の種類および自治体の条例によって異なります。具体的な内容は所管の窓口にご確認ください。