引退したい時期を決める

すべての起点はここです。いつ退きたいのかが決まらないと、逆算した準備ができません。

譲渡には、相手探しから引き継ぎまで半年から2年程度かかります。加えて、許可の状態やヤードを整える期間を確保するなら、さらに1年は見ておきたいところです。「70歳で退く」と決めれば、67歳前後には動き出すという逆算ができます。

解体業では、プレス機や重機の更新時期も判断に絡みます。大きな設備投資を控えているなら、その前に譲るのか投資してから譲るのかで手取りが変わります。

許可の状態を点検する

解体業の価値の中心は、許可です。解体業の許可、破砕業の許可、引取業とフロン類回収業の登録、産業廃棄物の収集運搬・処分業の許可——自社が何を持っているかを一覧にしてください。

そのうえで、届出内容と現状が一致しているかを確認します。届け出た保管上限を超えて車両が積まれている、責任者が既に退職している、更新期限が近い——こうしたずれは調査の段階で必ず露見し、是正を求められます。

許可がスキームによってどう扱われるかは解体業許可・破砕業許可は引き継げるかで詳しく扱っています。

ヤードの状態と土壌を把握する

買い手が必ず見るのが、ヤードの状態です。保管数量が基準内か、油水分離槽が機能しているか、床面の舗装と排水はどうか、周辺への飛散や騒音の苦情がないか。

土壌については、廃油や廃液の扱い方によってはリスクが指摘されます。調査していない段階で「何もない」とは言えませんが、日々の管理記録が残っていれば、買い手の不安はかなり下がります。

ヤードが賃借地の場合は、契約の残期間と、譲渡にあたって貸主の承諾が要るかを早めに確認してください。原状回復の範囲も契約書で確かめておくべき項目です。

決算書と在庫を整理する

決算書が実態を映していないことはよくあります。社長個人の費用が経費に混ざっている、役員報酬が実態と乖離している、使っていない重機が資産に残っている。これらは説明できれば理解されますが、説明できないと減額されます。

解体業に固有なのが、中古部品とスクラップの在庫評価です。長期間動いていない部品、相場が下がった素材が帳簿価額のまま残っていると、買い手は実勢価格まで割り引きます。動かない在庫は先に整理しておくほうが、交渉が楽になります。

秘密を守れる相手に相談する

最もやってはいけないのが、同業や取引先に「売却を考えている」と漏らすことです。解体業は地域内の横のつながりが強く、噂は必ず広がります。従業員の離職や、仕入れルートの縮小につながりかねません。

相談は、秘密保持を前提に動ける専門家に限定してください。候補への打診は会社名を伏せた資料で行い、関心を示した相手とだけ秘密保持契約を結んでから詳細を開示する——この手順を守れる相手かどうかを確認しましょう。

こんなご相談を承っています

実際にいただくご相談は、次のような言葉で始まることが多くあります。

  • 解体業を売りたいが、どこに相談すればよいかわからない
  • ヤードを売りたい。ただ土地の原状回復が心配だ
  • 解体業の経営権を譲りたい。従業員の雇用は守ってほしい
  • 解体業の買い手の探し方がわからない。同業に知られたくない
  • 跡継ぎがいない。廃業しかないのかを知りたい

いずれも、解体業の売却支援としてお手伝いできる内容です。解体業の無料査定として、現状の評価をお伝えするところから始められます。

決めていなくても相談してよい

「まだそこまで固まっていない」という段階こそ、相談する価値があります。売る、継がせる、続ける——どの道を選ぶにせよ、自社の現在地を知ることから始まります。

秘密厳守でお話を伺いますので、お気軽にお声がけください。