届出は複数ある
持っている許可・登録ごとに手続きが必要です。
- 引取業の登録
- フロン類回収業の登録
- 解体業の許可
- 破砕業の許可
- 産業廃棄物の収集運搬業、処分業の許可
- 古物商の許可
- ヤードに関する条例上の届出
- その他の届出
一覧を作ってから始めてください。一つ漏れると、そこだけ手続きが残ります。
それぞれの届出の期限も確認してください。廃止の日から何日以内、という定めがあるのが通例です。
残置物の責任は消えない
最も重要な点です。
- 許可を廃止しても、既に受け入れたものの処理責任は残る
- 残ったものを放置すれば、不適正な保管や投棄として扱われ得る
- 処理には費用がかかる
- 土地を返す場合、撤去が求められる
- 費用を用意できなければ、そこで詰まる
1番目を誤解しないでください。「許可を返したから、もう関係ない」ということにはなりません。
5番目が現実の問題です。事業をやめる理由が資金難である場合、処理費を用意できません。だからこそ、順序が重要になります。
順序を守る
正しい順序を示します。
- 新規の受け入れを止める
- 抱えているものを洗い出す:車両、部品、スクラップ、廃棄物。
- 売れるものを売る:相場と時期を見て。
- 処理が必要なものの費用を見積もる
- 資金を確保する
- 処理を進める:許可のあるうちに。
- 移動報告や記録を完結させる
- 残った書類を保管する
- 廃止の届出を出す
- 土地の原状回復
6番目が9番目より前にあることが要点です。許可があるうちに処理を終えるのが最も簡単です。廃止した後では、自社でできる範囲が狭まります。
3番目の時期を確保してください。廃業を決めてから急ぐと、買い叩かれます。1年前から動けば、処分費が売却収入に変わる部分があります。
記録の完結と保管
手続き上の記録を終わらせる必要があります。
- 引き取った車の移動報告が完結しているか
- 未報告のものがないか
- 永久抹消登録が済んでいない車がないか
- マニフェストの返送が揃っているか
- リサイクル料金の請求が済んでいるか
- 記録を保存期間まで保管する
3番目が残りやすいところです。解体は終わったが登録の手続きが済んでいない車が、思ったより多く見つかります。
6番目も忘れないでください。事業をやめても、記録の保存義務が直ちに消えるわけではありません。保管する場所と期間を決めてください。
譲渡の場合は扱いが違う
廃業ではなく譲渡を選ぶ場合、手続きが変わります。
- 株式譲渡:会社が続くため、許可は残る。代表者の変更届で足りることが多い。
- 事業譲渡:許可は移らない。買い手が新たに取得する必要がある。
- 合併:制度によって扱いが異なる。
1番目が最も手続きが軽い形です。そして残置物の処理も買い手が引き継ぐため、廃業より手元に残る金額が大きくなることがあります。
2番目を選ぶ場合、買い手が許可を取得するまでの期間を見込む必要があります。その間の操業をどうするかも決めなければなりません。
廃業と譲渡を数字で比べる
判断のために、次を並べてください。
- 廃業の場合の総額(在庫処分、設備撤去、土壌、原状回復、従業員への支払)
- 売れるものを売って得られる額
- 差引きで手元に残る額(マイナスになる場合もある)
- 譲渡の場合に受け取れる額
- 譲渡なら発生しない費用
3番目がマイナスになる会社は珍しくありません。その場合、無償に近い条件でも譲渡したほうが有利です。
5番目を忘れないでください。譲渡なら、在庫の処分費、設備の撤去費、原状回復費が発生しません。この差が大きいところです。
従業員と取引先への対応
手続きと並行して進めることです。
- 従業員に伝える時期
- 退職に伴う支払と手続き
- 次の就職先の紹介
- 取引先に伝える時期と内容
- 引き取りを頼まれていた先の引き継ぎ
- 未払と未収の整理
5番目は最後の仕事として大切です。引き取りを頼んでいた整備工場や販売店に、代わりの先を紹介してください。
1番目の時期は難しい判断です。早すぎれば先に辞められ、遅すぎれば信頼を失います。少なくとも、法令上必要な予告の期間は確保してください。
やめると決める前に一度相談する
廃業の準備を始める前に、選択肢を確認してください。
- 譲渡できる可能性があるか
- 許可を持つ会社としての価値がどれだけあるか
- 同業に引き継ぎたい相手がいないか
- 従業員のうち引き継げる人がいないか
- 設備と土地を残す形での譲渡ができないか
2番目を軽く見ないでください。許可を取り直すには時間がかかるため、許可を持つ会社そのものに価値があります。
4番目も検討する価値があります。長く働いてきた従業員が引き継ぐ形なら、取引先も残ります。資金の準備が課題になりますが、方法はあります。
1年前から始める
- 抱えているものを洗い出す
- 処理費の概算を出す
- 譲渡の可能性を確認する
- 売れるものを相場を見て売る
- 新規の受け入れを絞る
- 従業員に伝える
- 処理と手続きを進める
1番目と2番目を先に済ませれば、判断が具体的になります。金額が分からないまま決めると、途中で資金が足りなくなります。
※ 廃止の手続きや残置物の処理責任は個別の状況によって異なります。具体的な対応は所管の窓口および専門家にご相談ください。