自動車整備業界の今後を予測!現状の課題、市場縮小の要因について

自動車整備業界の今後の動向について、現状や課題とともに詳しく解説しています。今後を生き抜くための経営戦略であるM&Aについても活用の可否を判断しつつ、自身の経営する自動車整備工場の存続を図りましょう。

自動車整備業界の現状/課題

はじめに、さまざまなデータを参照しながら自動車整備業界の現状と課題を掴みましょう。

市場規模の推移

日本自動車整備振興会連合会の「自動車分解整備業実態調査」によると、2019年度の自動車整備業界の市場規模(総整備売上高)は5兆6,216億円でした。近年の市場規模は5兆5,000億円前後で推移しているものの、2016年から3年連続の拡大傾向にあります。

業態別の前年度比は、専・兼業が197億円増(0.8%増)、ディーラーが745億円増(2.8%増)、自家が21億円減(0.9%減)となり、自家のみ減少しました。一方で、作業内容別の前年度比は、車検整備が0.9%増、定期点検整備が3.4%増、事故整備が5.3%増、その他整備が0.1%増と、すべての作業内容で増加しています。

過去には市場規模の安定推移を受けて事業場数の増加傾向が見られたものの、2015年以降は競争激化などを理由に4年連続で事業場数が減少していることから、経営難に陥った自動車整備工場の淘汰は今後も続く見込みです。

自動車ユーザーの高齢化による顧客減少

日本では高齢化の進行により、総人口の減少および65歳以上の人口割合の増加が進行しています。また、将来の自動車ユーザーとなる若年層の人口が減少しており、今後の入庫台数減少に直結する問題となっています。

総保有台数・継続検査台数の減少

現時点において自動車保有台数は横ばいに推移しているものの、近い将来には少子高齢化の影響を受けて減少していくものと予測されています。

後継者不在問題の深刻化

自動車整備業界では、多くの企業で経営者の高齢化・後継者の不在・後継者の経営ノウハウ不足などを理由に事業承継問題が顕在化しています。特に整備要員数2~3人程度の小規模な自動車整備工場では、約3割が後継者不在の問題に悩まされており深刻な状況です。

整備要員の高齢化

日本自動車整備振興会連合会の「自動車分解整備業実態調査」によると、2019年度における自動車整備要員の平均年齢(自家除く)は45.5歳で、前年度比で0.2歳上昇、2014年度比で1.7歳上昇しました。

整備要員の平均年齢は年々上昇しているうえに整備要員数や整備士数が年々減少していることから、 今後は自動車整備工場の業務を担う社員の確保がより一層大きな課題となる見込みです。

車離れ/整備士志望者数の減少

自動車整備要員の確保問題に追い打ちをかける形で、若者の車離れや整備士志望者数の減少傾向が深刻化しています。日本自動車整備振興会連合会の「自動車整備白書」では、2018年度の自動車大学校・整備専門学校の入学者数が学校全体の定員1万2,674人に対して8,124人に留まり、定員の7割に及ばなかったことが示されました。

こうした現状を受けて、自動車整備業界では、整備士養成の専門学校・短大などの学費負担軽減を図る支援策に関する検討・対応も求められています。

自動車整備業界の今後/将来性

自動車整備業界では今後も安定的な成長が続く見込みですが、その一方で進歩する自動車技術への対応などが問題視されており、すべての自動車整備工場が将来性の高さを享受できる状況ではありません。

これまで紹介した現状や課題も踏まえると、自動車整備業界では今後の取り組みとして以下のような施策が求められています。

  • 顧客サービスの向上
  • 自動車整備技術の高度化への対応
  • 自動車整備要員の確保・育成
  • 外国人労働者の受け入れ

これらを行うには、資本力を高めながら人材確保や積極的な投資を進めていく必要があります。しかし、専業事業者はディーラーに比べて資本力が限られており、営業や整備のための人員確保・設備投資の実施が容易ではありません。そこで最近では、M&Aによる譲渡という選択肢に大きな注目が集まっています。

今後を生き抜くための事業拡大戦略

専業事業者からすると、事業拡大戦略として以下の事業に着手することも有効策です。

  • 中古車販売事業
  • カーリース事業
  • 自動車買取事業

中古車販売事業では、中古車の購入を希望する顧客に対して自動車を販売します。顧客のニーズに応じた自動車を提案するうえで、自動車整備業界で長年培ってきた経験が活かせる事業です。

カーリース事業では、定額料金の支払いを受けて顧客に自動車を利用してもらいます。新事業として展開すれば自動車整備工場と顧客のつながりを強固にできるだけでなく、リース期間終了後は自社工場で整備を手掛けた上質な下取り車という大きな財産を得られます。

自動車買取事業では、顧客の所有する中古車を査定して買い取ります。比較的着手しやすい業種であり、自動車整備工場との相乗効果も期待できるため、生存戦略に適した事業のひとつです。

自動車整備業界のM&A・譲渡・買収動向

ここからは、自動車整備業界のM&A・譲渡・買収動向を実際の事例とともに紹介します。

自動車整備業界のM&A最新動向

自動車整備業界では、自動車技術の高度化・車載式故障診断装置(OBD)を利用したOBD車検の導入(2021年以降)などの変化に対応すべく、M&Aが積極的に行われています。

また、自動車大学校・整備専門学校の進学率低下により整備要員不足が深刻化する状況下で、人材確保および工場設備をまとめて獲得すべく、M&Aによる買収を行う企業も目立っています。

その他の自動車整備業界におけるM&Aの目的を挙げると、譲渡側では事業承継問題の解決・社員や取引先の維持・創業者利潤の獲得など、買収側では売上の拡大・利益率の上昇・事業エリアの拡大などが代表的です。

自動車整備業界のM&A・譲渡・買収事例

自動車整備業界のM&A・譲渡・買収事例として代表的なものを紹介します。2019年11月、ENEOSウイングは、M&Aにより京葉オートモビルサービスおよび京葉オートライフを買収しました。

買収側のENEOSウイングは、石油製品・自動車用品・保険の販売やオートリース・車検整備を手掛ける企業です。一方、譲渡側の京葉オートモビルサービスおよび京葉オートライフは、自動車整備のほか鈑金塗装・保険の販売・リースなども手掛ける企業です。

ENEOSウイングがM&Aを行った目的は、自動車に関わる周辺事業の拡大です。人口減少・低燃費車の普及で主力とする国内燃料油需要の減少が見込まれる中、立地・アクセスが良かった京葉オートモビルサービスおよび京葉オートライフの子会社化により自動車整備業の拡大を図っています。

また、本件M&Aにより、譲渡側企業は後継者不在の問題を解決して事業承継を果たしました。現在はENEOSウイングの傘下に入り、社員・顧客を維持しながら事業を継続しています。

このように、立地・アクセスなどの強みを持つ自動車整備工場であればM&Aによる買い手が見つかりやすく、双方にとってメリットのあるM&Aを実施できる可能性が高いです。

ENEOSウインと京葉オートモビルサービスおよび京葉オートライフのM&A事例Win-WinのM&Aで従業員と会社の存続を実現

自動車整備業界のM&Aによる譲渡(買収)はお気軽にご相談ください

この記事では、自動車整備業界の今後の動向について、現状やM&Aの動向とともに紹介しました。M&Aは、譲渡側・買収側の双方にメリットをもたらす経営戦略です。すでに経営難に陥っている場合でも、あなたの自動車整備工場が持つ強みに惹かれて買収に乗り出す企業が現れる可能性はあります。

経営戦略としてM&Aによる買収に乗り出す企業が多いこのタイミングを逃さないためにも、早めに専門家に相談しましょう。M&Aについてお悩みや不明点があれば、譲渡希望・買収希望を問わずフォーバルまでお問い合わせください。

当社は経営知識・実務経験を一定以上備える認定経営革新等支援機関に認定されており、事業承継はもちろん、経営支援からM&Aまで幅広い視野から経営者の皆さまを万全の態勢でサポートしております。

M&Aの実施が未定でも相談可能で、24時間電話・チャットで無料相談に対応しておりますので、「M&Aや事業承継を検討してみたい」と思われた方はぜひ一度お気軽にご相談ください。


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