何に備えるか
| 目的 | 備える内容 |
|---|---|
| 納税資金 | 相続税の支払い |
| 代償金 | 継がない相続人への配分 |
| 退職金の原資 | 会社が支払う資金 |
| 事業の継続 | 店主に何かあった際の運転資金 |
目的が違えば、契約者や受取人の設定も変わります。
リユース業で効く場面
- 在庫に資金が寝ていて、現金が薄い
- 株の評価が高く、納税資金が要る
- 店舗不動産があり、分割が難しい
- 店主が倒れると仕入れが止まる
資産はあるが現金がないという状態への備えとして機能します。
設計で確認すること
- 契約者は誰か(会社か個人か)
- 被保険者は誰か
- 受取人は誰か
- 保険料の負担は誰か
- 税務上の扱いはどうなるか
この五つの組み合わせで扱いが変わります。税理士に確認してから契約してください。
注意しておくこと
保険料の負担は長期にわたります。資金繰りに無理のない範囲で設計してください。
また、税務上の取り扱いは変更されることがあります。契約時の説明だけで判断せず、定期的に見直しをおすすめします。
目的を1つに決める
複数の目的を1つの契約で賄おうとすると、設計が中途半端になります。
- 納税資金の準備
- 他の相続人への配分の原資
- 退職金の準備
- 経営者不在時の運転資金
- 借入の返済への備え
- 目的ごとに必要額を試算する
4番目がこの業種では実用的です。経営者に何かあったとき、買取代金の支払いに使う現金が確保できなければ、仕入れが止まります。事業の継続に必要な資金として、備えを検討してください。
必要額を試算する
目的が決まったら、金額を計算してください。
- 納税資金:財産額から試算する
- 配分の原資:他の相続人への配分額から試算する
- 退職金:規程に基づく算定額から
- 運転資金:月間の買取金額と回転日数から
- 借入の返済:残高から
- 既存の契約でどこまで賄えるかを確認する
6番目を先に確認してください。すでに加入している保険で、目的の一部が賄える場合があります。既存の契約内容を整理したうえで、不足分を検討してください。重複した加入を避けられます。
契約内容を目的に照らす
契約の内容を、目的に照らして確認してください。
- 契約者と受取人 — 法人か個人かです
- 税務上の取り扱い
- 受け取れる時期 — 必要なときに間に合うかです
- 解約した場合の取り扱い
- 保険料の負担が事業を圧迫しないか
- 承継後の契約の扱い
税務上の取り扱いは、必ず税理士にご確認ください。契約の形態によって扱いが異なり、制度も改定されます。加入の前に、目的に対して適した設計かを確認してください。
見直しの機会を決める
一度加入して終わりにしないでください。
- 年1回、内容を確認する
- 財産額が変わったとき — 在庫の増減を含みます
- 借入の残高が変わったとき
- 家族構成が変わったとき
- 承継の方針が変わったとき
- 保険料の総額を確認する
6番目の確認で、整理の余地が見えることがあります。長年にわたって契約を追加してきた結果、目的が重複している例があります。一覧を作って点検し、不要なものを整理してください。固定費の見直しにもなります。
まとめ
保険は目的を決めてから選ぶものです。
契約者・被保険者・受取人の設定を、税理士と確認してください。
※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。税務上の取扱いや補助金の対象・要件は、制度の改正や個別の事情によって異なります。実際の判断にあたっては、税理士等の専門家および管轄窓口にご確認ください。
よくある質問
Q. 自社株の評価はどのように決まるのですか。 A. 取引相場のない株式は、会社の規模や資産の中身に応じて、類似業種比準方式と純資産価額方式などを組み合わせて評価します。買取店は棚卸資産の比重が大きく、在庫をどう評価するかが株価に直結します。実際の評価は税理士に算定してもらってください。
Q. 在庫の評価が読めません。どう備えればよいですか。 A. 滞留在庫と回転している在庫を分け、簿価と実勢の差を把握しておくことが出発点です。承継でも売却でも、在庫の中身を説明できる状態にしておくほど、話が早く進みます。