現金が動く場面を洗い出す

  • 店頭での買取代金の支払い
  • 販売代金の受領
  • 出張買取への現金の持ち出し
  • 釣銭の準備と精算
  • 古物市場での落札代金
  • 銀行への入出金

それぞれについて、誰が扱い、誰が確認するかを決めてください。

それぞれについて、誰が扱い、誰が確認するかを決めてください。1人で完結する場面があるかどうかがリスクの所在を示します。

起きやすい不正の形

  1. 買取金額の水増し:伝票に書いた額より少なく渡し、差額を取る
  2. 架空の買取:実在しない取引を伝票に起こす
  3. レジの抜き取り:販売代金の一部を記録しない
  4. 商品の持ち出し:在庫を私的に持ち帰る
  5. 知人への便宜:不当に高く買う、安く売る

1番目が、リユース業に特有の形です。価格の妥当性を検証できないと発見できません。

1番目がリユース業に特有です。買取価格には「正しい値」がないため、不当に高く買っても「目利きが甘かった」で説明がついてしまいます。

二重チェックの設計

  • 買取代金の支払いと、伝票の作成を別の人が行う(可能な範囲で)
  • 一定額を超える買取は、決裁者の承認を必須にする
  • レジ締めを2人で行う
  • 現金の残高確認を、日次で記録する
  • 出張買取の持ち出し・帰店時の現金を2人で確認する

少人数店で完全な分離は難しいものです。できる範囲で「1人で完結させない」形にしてください。

少人数店で完全な分離は難しいものです。できる範囲で組み合わせ、足りない部分はデータでの検証で補うという考え方が現実的です。

データで検証する

人の目より、数字のほうが確実です。次を月次で見てください。

  • 担当者別の買取原価率(他より高い人はいないか)
  • 担当者別の、買取額と実売額の差
  • 同一の相手方との取引が集中していないか
  • キャンセル・返金の件数が特定の担当者に偏っていないか
  • 棚卸差異の推移

これらは不正の発見だけでなく、育成の材料にもなります。「疑うための数字」ではなく「見る習慣」として運用してください。

人の目より、数字のほうが確実です。この5つを月次で見る習慣がつけば、異常は自然に浮かび上がります。見ていること自体が抑止にもなります。

キャッシュレスを増やす

買取代金の振込対応、販売のキャッシュレス決済。現金が動く量そのものを減らすのが、最も確実な対策です。

  • 記録が自動的に残る
  • 持ち歩く現金が減る
  • レジ締めが速くなる
  • 盗難のリスクが下がる

現金が動く量そのものを減らすのが最も確実な対策です。記録が自動的に残り、レジ締めも速くなります。導入の効果は不正防止だけではありません。

ルールを明文化する

就業規則や社内規程に、次を書いておいてください。

  • 現金の取扱い手順と、責任者
  • 決裁権限(金額別)
  • 従業員自身が客として売買する場合の手続き
  • 商品の私的な取り置き・購入のルール
  • 違反があった場合の懲戒

明文化することが、そのまま抑止になります。

明文化することがそのまま抑止になります。ルールがなければ「悪いことだと思わなかった」という主張が成り立ってしまいます。就業規則に書き込んでください。

月次で見る5つの数字

人の目で監視するより、数字を定期的に見るほうが確実です。月次の会議に議題として置いてください。

見る数字異常のサイン
担当者別の買取原価率平均から継続して外れている人がいる
担当者別の買取額と実売額の差特定の人が継続して高く買っている
相手方の重複同じ人が特定の担当者にだけ持ち込んでいる
キャンセル・返金の件数特定の担当者に偏っている
棚卸差異の推移同じ場所・同じカテゴリで繰り返し出る

1回の数字では判断できません。3か月以上同じ傾向が続いているかを見てください。たまたま外れることは誰にでもあります。

また、異常が見つかっても即座に不正と決めつけないでください。担当カテゴリの違い、経験の差、相場の変動。別の説明がつくことも多くあります。

まとめ

内部不正は、人の問題ではなく仕組みの問題です。1人で完結させない、データで検証する、現金を減らす。この3つで防げます。

まず担当者別の買取原価率を出してみてください。見る習慣をつけることが第一歩です。

まず担当者別の買取原価率を出してみてください。見る習慣をつけることが第一歩です。